当院でよく診る疾患:乳がん

乳がん

乳がんとは、乳汁を分泌する乳腺小葉上皮、あるいは乳管までの通り道である乳管の上皮が悪性化したものであり、近年の日本人女性の悪性腫瘍のなかでは最も頻度の高いものとなっています。
乳がんは、小葉由来の小葉がんと乳管由来の乳管がんとに大別されます。
乳管内、あるいは小葉内にとどまっていて血管やリンパ管に浸潤していないものを、非浸潤がんといいます。

非浸潤性乳管がんは比較的少数です。
欧米では非浸潤性小葉がんは悪性疾患としては扱われず、経過観察が原則になっています。 浸潤がんは血管やリンパ管から全身への血流にのり、リンパ節、骨、肺、肝臓、脳などに転移します。

特殊な乳がんとして乳頭や乳輪の湿疹状のただれを症状とするパジェット病がありますが、予後は非浸潤がんと同様に良好です。 また乳房全体が炎症状に腫脹し、すみやかに全身への転移を起こす炎症性乳がんという極めて予後不良のタイプもあります。

▼乳がんの原因

乳がんを発症する危険因子としては、近親者に乳がんにかかった人がいること、過去に乳頭腫や線維腺腫などのリスク病変にかかったこと、片側の乳がんにかかったことなどが最も重要視されます。

これらは遺伝的要因によるものです。

そのほかにも出産を経験していないこと、授乳をあまりしていないことなどもリスクになります。
これらは乳がんの発生の母地となる乳腺が、萎縮せずに長期間存在することを意味します。

また卵胞ホルモンであるエストロゲンの関与が発がんや増殖、転移に関係していることも知られており、経口のホルモン薬も長期にわたって服用すると発がんのリスクを上げるといわれています。しかし、近年の日本における乳がんの急増は、これだけでは説明しきれません。

未知の要因が多く関係しているものと思われます。

▼乳がんの症状

乳がんの症状は、90%以上は痛みを伴わない乳房腫瘤です。
患者さんは自分で腫瘤を触れることができます。
また一部の乳がんでは乳頭からの分泌物を症状とすることがあります。乳がんによる乳頭分泌物は血液が混じったものが多い傾向にあります。

その他、乳頭や乳輪の湿疹様のただれを症状とするものもあります。 骨や肺に転移して手術不能の状態になって初めて病院を受診する例もあります。

症状があった場合に、専門医の診察を受けるかどうかで患者さんの運命は大きく変わります。
検診によって発見される無症状の乳がんは数%以内です。

▼乳がんの検査と診断

乳がんの診断は視触診が基本です。

しかし、これらの理学的診察法は担当医の経験や患者さんの体型により、大いに精度が左右されます。 そのための補助的画像診断としては乳房X線撮影(マンモグラフィ)、超音波検査を行います。

X線撮影で腫瘍の陰影や石灰化など典型的な所見があれば、乳がんが強く疑われます。

超音波検査では、特徴のある不整形の腫瘤像が認められれば乳がんが疑われますが、典型的な所見を示さない乳がんもあるので、理学的診断や画像診断のみに頼るのは危険があります。

乳がんの疑いが濃厚であれば、細胞診、針生検などの顕微鏡的検査を行います。ほかにも、造影CT、MRIを用いた検査などもあります。

以上の検査により乳がんの臨床病期(ステージ)が決まります。 このステージにより、治療方針や予後が異なります。

▼乳がんの治療

2期までの乳がんであれば、乳房の温存療法も可能です。

乳房の部分切除、腋窩リンパ節の郭清、放射線照射、薬物治療を組み合わせた集学的治療です。乳がん組織のホルモン受容体が陽性なら、内分泌療法をメインにします。受容体が陰性の場合やリンパ節転移がある場合、抗がん薬治療を考慮します。

多発腫瘤や、乳腺内に広汎に広がった乳がんの場合は、非定型的乳房切断術を行います。

3期以後の乳がんであれば、まず薬物治療を行い、有効な症例については手術を行うことがあります。

4期は根治的治療の対象とはなりません。

乳がんは術後5年以上経過してからの再発もめずらしくないので、治療成績は10年生存率で計算されます。

[医院名]
薬師堂診療所
[標榜科目]
内科・呼吸器内科・乳腺内科・ 腫瘍内科・緩和ケア内科・外科 介護サービス 居宅介護サービス・ 居宅介護支援・グループホームなど
[医師名]
平良 真昌
[住所]
東京都練馬区南田中3-26-3
[電話]
03-3997-2657
[FAX]
03-3995-3826
[主な通院・ご利用地域 ]
練馬区、中野区、杉並区、板橋区、武蔵野市
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